20話 オクドンとドンソク3ドンソクは母親に ”人生で最高の瞬間はいつ?”と尋ねた「지금, 너랑 한라산 가는 지금」
木浦で祭祀を終え、ドンソクは母親が行きたいところをあちこち廻りながら最終便のフェリーで済州に帰ってきた。
漢拏(ハルラ)山に登ったことがないという母親のために、家には送らずに夜中の済州を走った。漢拏山の中腹に着いたとき、目を覚ました母親は、舞い散る雪を見て少女のように目を輝かせた。
母親は息を切らしながら、ドンソクの後を必死について行った。途中で休憩した時、ドンソクは母親に、”もし、自分が短気じゃなく出来の良い優しい息子だったら、生まれ変わっても僕の母親になる?”と聞いてみた。すると母親は、ちょっと考えてから小さく頷いた。
そして”これまでの人生で最高の瞬間はいつ?”と聞くと、今度はすぐに ”今。あんたとハルラ山に登っている今 ”と答えた。
母親は頂上の百鹿譚(ペンノクタン)にどうしても行きたいと言った。だがこれ以上は無理と判断したドンソクは、下山してきたカップルに母親を頼み、一人で
百鹿譚を目指した。
지금, 너랑 한라산 가는 지금
今。あんたと漢拏山に登っている今よ
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最終回にキムヘジャさんの演技に引き込まれました。これまでは寡黙で無表情だった母親が、息子と旅を共にするうち少しずつ感情を出していきます。
雪景色を見たときの母親は少女のようでもあり、ドンソクに顔を拭いてもらっているときは従順な恋人のようでもありました。そして、自分をカップルに預けてドンソクが一人百鹿譚(ペンノクタン)へ向かうときは、まるで追いすがる子どものようでした。
ドンソクは母親に美しい百鹿譚の景色を見せるために、頂上をめざして雪道を急ぎます。